いとぶろ

いとうくんの楽しい毎日

いいことがあった日は文章を書く、忘れるから

買い物厨なので毎日何かを買わないと死ぬ。本当の意味で死ぬ。でも、自分の時間厨だから、自分の時間を犠牲にして金銭を得る作業が多大なストレスでまともにバイトもできない。本当の意味で精神を病む。自分を守るために、仕方なくバイトは5秒でバックレるけど、これは現代社会が悪い。働いている人間は全員病人で、病人の数の多さに素直に驚嘆する。みんな病気になるくらいしかやることがないのか……。病人じゃない僕の貴重な1時間は金銭にならない。僕の健常な貴重な1時間はyoutubeとかにこそ費やされるべきで、だからお金は減るばかりだった。

自分を切り売りできないから、自分の代わりに何かを切り売りするしかなく、本棚から適当に本を抜き出して古本屋に電話をかけるけど、その度に、小説というものの、還元率の低さに愕然とする。神々しい箱に入った稀少な全集とか、なんかそういうのではなく、普通にそこらへんの本屋で買えるような小説なんか、誰も欲しがらないらしい。投資家ばかりのこの世界で小説が売れないのも納得だ。本が売れないから、本に付加価値をつけるために雰囲気だけ充実させた本屋が乱立しだすのも納得だ。家にいても本が買える時代に、そこでないと出来ない体験を本屋が追求しだすのも当たり前の流れなのかもしれない。実際、しんどいことに、いざ部屋で埋もれていた本を手に取ると、その本をどこで買ったとか、どういう気持ちで、どういう場所で読んだとか、そういう記憶が蘇ってくる。これは大分しんどい。記憶は身体の外にもある。そこに行ったときにだけ、それに触れたときにだけ蘇る記憶もあるんだなぁって思う。記憶を売るのは大分勇気がいる。

でも、だからこそ、僕たちは本当の意味で身体を失うことはないんだとも思う(それが代替されることはあるかもしれないけど)。なんて明るい未来なんだ……。悲しいことしか文章にできない人間撲滅委員会会員の僕としても、このような明るい、前向きな思考は歓迎すべきことなので、今日はすごい良い一日だったと思う。最近は良い一日ばかりが続くので、多分GWのせいだと思うので、とても嬉しいです。

おわり。

ボディ・アンド・ソウル (河出文庫)

ボディ・アンド・ソウル (河出文庫)