いとぶろ

いとうくんの楽しい毎日

僕たちは謎解きが終われば本を閉じてしまう無責任な傍観者です

青春青春青春青春青春青春。『密閉教室』読。毒毒毒。新本格。反推理=青春。

早朝の教室で、高校生中町圭介は死んでいた。コピーの遺書が残り、窓もドアも閉ざしてある。しかも異様なことに四十八組あったはずの机と椅子が、すべて消えていた。級友工藤順也がその死の謎に迫るとき次々現れた驚愕すべき真相とは?精緻な構成に支えられた本格推理の力作。 

 魅力的な謎です。青臭くこちらが赤面してしまいそうな語り口も、いつの間にか身体に馴染み、僕たちは刺々しい高校生たちとめくるめく推理の数々に夢中になってしまう。

それは間違いようのない青春青春青春青春青春青春。では、青春とはなにか?青春小説、とは。

それは僕たちへの絶対的なノウだ。NO。ノー、脳ヒューチャー。青春とは、僕たち青春に絶対的なノウを突きつける圧倒的な概念にほかならない。無邪気で、無垢で透明でキラキラしていて一途で間違いなくて永遠なものに突きつけるノウ。多くの人が勘違いしているようだけど、NOがなければ、それは青春小説にはならない。青春にならない。どれだけ、無邪気で、無垢で透明でキラキラしていて一途で間違いなくて永遠なものを寄せ集めても、それはただのそういうものだよ……。適当な小説に「青春」とかつけないように。ありがとう法月綸太郎

密閉教室 (講談社文庫)

密閉教室 (講談社文庫)