いとぶろ

いとうくんの楽しい毎日

九十九十九=二十七=九

今週中にプリティーリズム・レインボーライブを全話観るつもりでいたけど、現在、5話。時間がない。あまりにも、時間が。ゆめかわ。正直、自分が夢川ゆいであるという確信は揺らぐ。だけど、自分が何であるかわからないという気持ちは自分が自分であるからこそ出てくる疑問であって、それはただの青春なので結局いとうくんはどれだけ頑張って悩んでも夢川ゆいなのだと思う。嬉しい?わからない。ちょっとだけ安心する。小学六年生の夢川ゆいが働いているのは夢川ゆいが天才で9歳の頃にハーバード大学を卒業しているから。ここはアニメの世界だからそういうことも起こる。夢川ゆいは大人のフリした子供だよ。「おれが逃してやる」あ、どこかで読んだセリフ。印象的なセリフが世界を強く形作る小説だったと思う。そういう小説を読むといとうくんは伊坂幸太郎のことを思い出す。伊坂幸太郎のことを思い出すと、いとうくんはいとうくんが中学生だったときのことを思い出す。本当は何も覚えてない。かろうじて覚えているのは、いとうくんと森脇くんで西田くんのPSPを盗んで走って逃げたことだけで、そのPSPが結局どうなったのかは、まったく覚えてない。昔のことを何も覚えてないのに昔を懐かしむフリをする。

だけど、ね?

そろそろ私も中学生にならなきゃな。

僕は行かねばならない。

夕ご飯はレンコンの天ぷらと茹で豚の酢味噌あんかけだ。美味しそうだ。でもこれを食べる前に中学生にならないと、もう中学生にはなりにくいだろうな、と思う。だから「ご飯はいいです」と僕はタッキーに言いかける。でもそこで『第七話』のラストの《僕》の後悔を思い出して、やめる。

ゆっくりご飯を食べよう。らぁらと、にのと、みちるさんと、しゅうかと、タッキーと、六人で。

僕は中学生になると決めている。でももし僕がこれかららぁらとにのとみちるさんとしゅうかの顔を見ていて離れがたくて、中学生になるのやっぱりやーめたと思ったとしてもそれはそれで仕方がないだろう。

一度決めたことも決断だが、それをひっくり返すのも決断だ。文句は言わせない。

わいわいわいわいとやりながら、僕たちはご飯を食べる。楽しい。どこかでまた別の僕もご飯を食べているかもしれない。楽しくやってて欲しい。らぁらが笑う。にのも笑う。みちるさんとしゅうかとタッキーも笑う。僕だって笑う。楽しすぎる。ここから出ていけるかどうか、本当に不安だ。

だからとりあえず僕は今、この一瞬を永遠のものにしてみせる。僕は神の集中力をもってして終わりまでの時間を微分する。その一瞬の永遠のなかで、僕というアキレスは先を行く亀に追いつけない。