いとぶろ

いとうくんの楽しい毎日

男神乱舞

まさかこの歳になって『古事記』を読んで感動することになるとは思わなかった。訳者は海猫沢めろん先生。この本が発売される前からずっと、海猫沢めろん先生の『古事記』、買わなきゃ、という思いはあった。しかし、本屋に行くと決まって記憶喪失にでもなったかように『古事記』のことを忘れてしまうのだった。僕の人生と、ボーイズラブや、『古事記』は、距離が少しだけ遠いのがいけないのかもしれない。そりゃ僕だって、女と女が絡むよりは男と男が絡んでいるほうがずっと好きだし、本屋で平積みされて映画にもなっているような本を読むよりは『古事記』を読むほうがずっとかっこいいと思うけど、でも、男と女が絡んでいるほうが興奮するし、ヒップホップを聴いているときのほうが痺れる。

なので昨日、海猫沢めろん先生の隣でビールを飲みながら、アッと思い出すまで『古事記』のことはすっかり忘れていた。ちょうどその日は紀伊國屋書店で何冊目かの『左巻キ式ラストリゾート』を買っていたのに、『古事記』のことは忘れていた(僕はいろいろな人に『左巻キ式ラストリゾート』を配るのが趣味なので欲しい人がいたらあげます)。

僕はすぐに紀伊國屋書店に駆け込み、どこの棚に『古事記』が置いてあるかもわからないので店員の人に頼み持ってきてもらい、買いました。自由な通勤時間に読みました。

以下、感想。

よかったところ

・読みやすい(正義)

・読んでいておもしろい(大正義)

・『古事記』が好きな人が怒り出しそうなところ(『古事記』が好きな人なんて、まさかいないとは思うが)

・歌の訳がかっこいい(狂気のなかにいる俺)

・あとがきがかっこいい(泣いた)

わるいところ

・キャラクターが多い(覚えられない)

・キャラクターの名前が難しい(覚えられない)

・展開がはやい(覚えられない)

点数で云えば百点です。仕事でつらいことがあったけど帰りの電車でこれを読んで元気になりました。『古事記』を訳しても海猫沢めろん先生の小説になってしまうところがすごいと思いました。明日もはやいのでもう寝ようと思います。(本当なら僕だってもっとうまくって、みんなが読みたくなるような感想も書けるんですが、月曜日からすっかり疲れてしまって眠たいことと、上手いこと云った風の感想ばかりが横行する現代インターネット社会への反抗としてこのような形式を取りました)山なし落ちなし意味なし。

BL古典セレクション(2) 古事記

BL古典セレクション(2) 古事記