いとぶろ

いとうくんの楽しい毎日

会社のなにかがあってどこかへ行って、なにかをしていた。なにをしていたのかはよく覚えていない。それなりに楽しくて、それなりに退屈で、それなりに疲れた。だけど、帰り道、気に入っている同期の子と一緒になってお喋りできたのはよかった。元気?と訊かれたから、元気じゃないよ……と応えたけど本当は自分が元気かどうかなんてよくわからない。でも少なくとも、時間、僕は楽しかった。だからよかった。まるで女子小学生みたいな恋愛観を今でも引きずっているけど、実際にまだ僕は女子小学生だから仕方がない。僕は、まだ12年ぽっちしか生きていなくて、その中で得てきた経験や実感を使ってどうにか自分の世界観を作り上げていくしかないのだ。

まだ、私にとって、親と教師は圧倒的な権力者だし、自転車で行ける街までが世界の全てで、そこから先へ想像力は立ち行かない。足が速い人がかっこよくて、給食の酢の物は美味しくなくて、それがずっと変わらなくて、なんだか、自分はいつまでも小学生のままなんじゃないかと少し怖い。

私は、はやく中学生になりたい。高校生になりたい。大学生になりたいし、大人になりたい。ここはたまに、息がつまりそうになる。

人と喋ると疲れる。

同期の一人に、今にも死にそうと言われて、僕はもう死んでいるのにその事に気付いてないみたいで安心した。僕の書く事は全部、嘘に聞こえるらしい。そうだよ。書いたことは、全部、この世界では本当に起こらなかったことで、僕は嘘つきだ。(そしてこの気持ちだけが本当なのだ。)

祈るって、そういうことだろ?

おわり。