いとぶろ

いとうくんの楽しい毎日

ゴールデンウィーク備忘録②

7日目

 滅入る。夕方、ハハノシキュウの独演会を見に下北沢に行く。ほとんど新曲のなか「四捨五入したら小学四年生」をやってくれて感動した。「続・翻訳機」が新鮮な感じでびっくりした。でも一番感動した曲は「小説家になろう」だった。泣いた。

 ライブ後、シキュウさんが「いとうくんのことあんまり知らないけど、まあなんか頑張ってね」と励ましてくれたので嬉しかった。いとうくんはといえば、「ビートモクソモネェカラキキナ 2016 REMIX」のRー指定のような状況に始終お腹が痛かった。

 帰りに高円寺で降りてお酒を呑んで帰った。しらすチャーハンが美味しい。

 

8日目

 滅入る。11時ごろ起床。身体が乾燥する感じがする。駅前にあるgionに朝食兼昼食を食べに行く。ここのナポリタンはレタスの量がひたすら多いことで有名。ナポリタンとレタスの割合が5:5、いや、4:6でレタスが勝っている気がする。レタスを食べすぎたせいで脳に水分が過剰に行ってしまい頭がクラクラした。食後、山本直樹『YOUNG&FINE』を読む。そして誰もいなくなる物語にしかリアリティを感じられないのでこの漫画はリアルだと思った。

 帰宅後、大阪に行くための荷造りをする。といっても、荷物はTシャツと寝間着ぐらいしかないのですぐ終わる。洗濯物をまわしながら少しだけ眠った。

 夜、新宿バスタに向かう。バス発車までまだ時間があったので、夕食につけ麺を食べる。それからコンビニで水とフリスクを買って乗車場に。結構人がいる。僕のとなりは若いお兄さんで安牌かと思われたが、いびきがうるさくて滅入った。さらに夕食に食べたつけ麺が重たかったのか、若干吐き気が……。フリスクを大量に摂取して、小沢健二『刹那』を流して無理やり眠る。

 

9日目

 滅入る。大阪着。あまり眠れなかったのと、座りっぱなしなのでしんどい。大阪に住む弟の家に転がりこみ、眠る。11時ごろ起床。キンプリ13時の回を観るため、梅田へ。久しぶりの梅田ブルク7に感極まる、かと思われたが、正直映画館なんてどこも似たような感じなのでそこまででもなかった。ユウくん回でまた泣いてしまった。

 夜は梅田地下にある串カツ屋で串カツを食べた。

 

10日目

 滅入る。大阪二日目。さっそく京都に行く。まずはやはり伏見稲荷。頂上を目指すが、うっかり便所サンダルで来てしまったため、途中で断念。悔しい。市内のほうに行く。

 京都のまちなかを歩いていると、僕がまだ大学のミス研にいたころのことを思い出す。新人歓迎会のとき、僕が自己紹介で好きな作家は佐藤友哉ですと言ったら上級生に総スカンを食らい、そのことがあってから僕は拗ねてミス研にいながら海猫沢めろん高橋源一郎中原昌也ばかり読んでいた。そのせいでますますクラブ内で孤立してしまった。それでも2回生の途中までは在籍していた気がするが、ある日3回生の当時会長だった人に呼び出されて、ミス研をやめるかエラリー・クイーンの全集を購入するか選択を迫られ、僕はやむなくミス研を退会した。

 しかし、よく考えたら僕の通っていた大学にはミス研なんてものは存在しなかったし、そもそも僕は京都の大学生ですらないことに気づいた。じゃあこの記憶はなんなんだ……。京都は危険だ。

 夜、京都タワーを昇る。京都タワーなら昇れる。望遠鏡で人々の私生活を覗きまくった。ホテルの一室で女の人が首をしめられて苦しんでいたけど、あの人は大丈夫だったんだろうか。

 

11日目

 滅入る。大阪三日目。神戸に行くか、大阪ミナミに行くか悩んで、結局ミナミに来てしまう。あんまり天気が良くなく、これまた便所サンダルで来たことを悔やんだ。

 日本橋に行く。もうすっかりjin doggが燃やした街という印象しかない。相変わらずカード屋が多いので全部燃やした。

 燃えた街をあとに、なんば、心斎橋あたりをウロウロ。三角公園でたこ焼きを食べていると急に雨が土砂降りになってたこ焼きどころではなくなってしまう。しょんぼり。これ以上外を出歩くのは無理だと判断し、急遽梅田に移動。駅前ビルをウロウロ。うわー。懐かしさのあまり卒倒してしまう。駅前ビルのなかのトイレは相変わらず虫がうじゃうじゃしてまともに用を足すこともできない有様だった。

 夜、雨もあがってきたので飛田新地に行ってみる。都市部の街並みは今ではもうすっかりどこも画一化されてしまったが、それでもこの街の雰囲気だけは東京では味わえない。お金がないので歩きまわるだけなのが悲しい。

 夜は久しぶりに探偵ナイトスクープを観る。このとき初めて、心から帰りたいと思った。

 

12日目

 滅入る。大阪四日目。梅田ブルク7に。青春はちゃんと終わる。僕はこの映画について語る言葉を持たない。

 

13日目

 滅入る。久しぶりの東京の朝。旅疲れか、お昼すぎにようやく布団から抜け出す。『知性は死なない - 平成の鬱をこえて - 』を読む。気づけば平成も終わりだ。正直このときをずっと待っていた。どうも。令和の舞城王太郎です。

 

14日目

 滅入る。部屋の掃除をすることにする。いつの間にかまたトイレが汚れている。この前きれいにしたはずなのに……。そのあと、床に転がる本をまとめてロフトの上に避難したら、今度はロフトがひどい有様になってしまったのでロフトの掃除も。きれいになったロフトに寝転がって佐藤哲也の『シンドローム』を途中まで読む。面白い。これの単行本はMARUZENジュンク堂梅田店で買った覚えがある。7階の児童書コーナーにあって、見つけるのに苦労した。『シンドローム』は僕の性癖を決定的な方向に捻じ曲げた本でもあるので、それが文庫化されて全国の本屋で平積みされているのはなんとも感慨深い。

 夜中、眠っていると着信。ヒプノシスマイクから。ごめん、とだけ言ってすぐ切られる。なんだったんだ?不快感をおぼえながらも、もう一度夢のなかへ。

 

15日目

 滅入る。昼頃、M3会場である東京流通センターに行く。大学の先輩がサークル出店しているらしい。しかし、遠いよ。ようやく着いたころには人気もまばらに。いろいろぶらぶらしてCDを何枚か買った。ホクホク顔で帰路につく途中、荻窪ゆうパックセンターに郵便物を取りにいかなちゃいけなかったのを思い出す。うーん。少し悩んだ末、後回しにすることに。急いでほしいものでもないしなあ。

 夜、高円寺にお酒を呑みに行く。しらすチャーハン、というのを初めて食べたけど、とんでもなく美味しかった。

 

16日目

 滅入る。結局郵便物は配達してもらうことに。なので午前中はおとなしく家に。『コミティア30thクロニクル』1巻を読む。やっぱりTAGROがずば抜けて面白い。星海社から出てる『マフィアとルアー』は傑作なので全人類が読むべし。

 無事荷物を受け取り、午後は阿佐ヶ谷周辺を散歩。なんとなく早稲田通りを荻窪のほうへ歩いてみる。こっちのほうは結構ロードサイド感が強い。なんか新鮮だ。そのまま井の頭公園まで歩いてみる。うおー。やっぱり休日の井の頭公園は人が多い!

 久しぶりに近所の銭湯へ。水風呂がないのが惜しいんだよなー。

 

17日目

 滅入る。昨日届いた『コミティア30thクロニクル』2巻と3巻を続けて読む。2巻に好きな漫画家が固まりすぎている。3巻に知らなかった漫画家の傑作を何本も発見してやっと得した気分に。

 午後はなんとなく東京駅のほうへ。日比谷公園で噴水を眺めながらボーッとする。僕が観測しただけで、4人の子供が転んでいた。うち泣いていたのは1人。子供は僕たちが思っている以上に強い。神妙な顔で見つめ合っていた男女のうち1人は泣いていた。そういえば明日はハハノシキュウの独演会がある。小説を読み直しておきたいのではやめに帰宅。

 

18日目

 滅入る。夕方、下北沢へ。ライブ会場でボーッとスタートを待っていると、やはりというか佐藤先生が会場に来る。隣でライブを観ることに。前にハハノシキュウ、横に佐藤先生という状況に「ビートモクソモネェカラキキナ 2016 REMIX」のRー指定のような気分だった。緊張で始終お腹が痛かった。

 新曲がどれも良い曲で、良い意味で新鮮な曲もあってはやくCDで聴きたいと思った。

 高円寺に寄って、お酒を呑む。しらすチャーハンが美味しい。

 

19日目

 滅入る。ゴールデンウィークも気づけば折り返し地点だ。ゴールデンウィーク後半戦は久しぶりに大阪に戻ることにしているので、早速準備。といっても、荷物はTシャツと寝巻きぐらいなのですぐ終わる。

 家にいても暇なので、吉祥寺のほうに。ジュンク堂で前田司郎『私たちは塩を減らそう』を買う。学生時代、買おう買おうと何度も手に取って結局買えずじまいだった本がいつの間にか文庫化していた。確か何かの配信で豊崎由美がこれに収録されてる「悪い双子」は芥川賞だよと褒めていたので気になっていたのに、ずいぶん経ってしまったなぁ。ちなみに『世にも奇妙な物語』で人気だったファナモの話も収録されているので、みなさんぜみ買ってみてください。

 一度家に帰り、荷物を持って今度は新宿へ。夕飯に重たいものを食べるとバスで気分が悪くなる予感がしたのでそばにする。それからコンビニでお茶とフリスクを買って乗車場へ。結構人が多い。僕の隣は若いお兄さんで、いびきもうるさくなく快適なバスの旅ができそうで一安心。小沢健二『刹那』を流して眠る。目が覚めたら僕は大阪にいる。

 

つづく