いとぶろ

いとうくんの楽しい毎日

まだ生きている人の日記

2019/07/11(木)_雨

 長い休みを何度も繰り返すような子供じみた幸福時代は終わっていたし、家族からは愛されて育ったので、5連休のはじめだと云うのに気分は沈んでいたし、朝早くから出張で東京に来ている父が訪ねてきた。朝食を食べるため、駅前の喫茶店に。父親と会ってもあんまりしゃべることがなくて困る。お土産を買うために新宿までついて行ったら一万円くれた。父親のこと実は結構好きかもしれない。もらったお金で野崎まど『HELLO WORLD平山夢明『デブを捨てに』松田青子『じゃじゃ馬にさせといて』鳥飼茜『サターンリターン①』を買う。髪も切る。家に帰って『デブを捨てに』を読む。最悪。だけど『あむんぜん』のほうが最悪だったな。平山夢明も順調に成長しているということか。羨ましい。夜、ティンダーでマッチした女の子と飲みに行く。相手が話す内容が全部いとうくんのパクリでずっと頭が痛かった。

 

2019/07/12(金)_雨

 連休二日目。何もやる気が起きず家でボーッとしていると仕事の人から連絡が入る。業務ではなく雑務の連絡。ラインを見てもメールを見ても何が書いてあるのか全くわからないので何も返しようがない。ごめん。罪悪感で死にたくなる。なんで僕ばかりこんな目に。楽しい連休になるはずだったのに……。現実逃避するために読み始めた『マチネとソワレ』が面白すぎて瞬間移動で銀座に来ていたのに少し歩いただけで電車に乗って移動していた。お、おもしろ……!これまで『アクタージュ』おもろ〜と呑気にはしゃいでいた自分が恥ずかしい。作者は『魔王 JUVENILE REMIX』や『VANILLA FICTION』の大須賀めぐみさん。『VANILLA FICTION』が失速して終わったのでここが大須賀めぐみの限界か……と勝手に諦めていた。すまん。今年読んだ漫画のなかで一番おもしろいです。

 移動したらなぜか代官山にいて、店員の人に勧められるままミリタリーっぽいポケットがついたTシャツを買う。13000円がセールで8000円だった。かっこいい。店員さんがフレンドリーすぎて同じ系列のお店も一緒に回ることになった。なんでやねん、と思った。正直怖くて泣きそうだった。やっと開放されて、最寄り駅まで帰って富士そばを食べながら『マチネとソワレ』の続きを読んだ。たのしかった。素敵だ。誠きゅん、しゅきぃ。

 夜、誘われたお店にはじめて飲みに行ったら荻原魚雷さんが失格ZINEを読んでいた。聞くところによると、高円寺のドトールは随分昔になくなってしまったらしい。申し訳ないことをしてしまった。

 

2019/07/13(土)_雨

 夕方からいとうせいこうのイベントのため下北沢に。なぜかそれまで自分が何をしていたのかまったく記憶がない。下北沢に来てからは古本屋で酒見賢一『語り手の事情』を買ってカレーを食べたのを覚えている。だけど、それ以前の記憶はまったくないのだ。あ、いや、思い出した。暇だったので新宿の紀伊国屋を最上階から1エリアずつ順に見て回ったのだった。何も得るものはなかった。

 ポエトリーリーディングのイベントだった。結構おもしろかった。おもしろいことを云う人が多い印象だった。だけど、中には、何を云っているのかよくわからない人や、何を云っているのかはわかるんだけど何を云っているのかわからない人や、何を云っているのかわかるんだけどつまらない人もいた。そういう出会いのすべてがピースだった。チョキン。ハハノシキュウは一人でMCバトルをしていて感動した。ハハノシキュウが一人でMCバトルするやつは大好きだから観るたびに毎回感動する。100回くらいタイムリープしているらしくてそれも感動した。最後には、タイムリープしてまたこのステージに立つってオチもあってよかった。終わったあと、あのタイムリープのくだりはいらなかったんじゃないかと云われていたけど、僕は全然そんなことはないと思う。そもそも誰なんだお前は、と思った。ごめんなさい。

 他にはオープンマイクで話していたいとうの人とかお坊さんの人とか面白かった。オリンピックの人もよかった。僕の前に立っている人がデタラメなリズムで揺れていたので、それも面白かった。

 なのるなもないさんはライブの完成度が高くてビビった。もうダメだ。やっぱこいつつえぇわ。強い。と思った。

 枡野浩一さんのライブは面白い歌が多くてよかった。30回くらい声をあげて笑ったと思う。本当は30回も笑ってなかったかもしれない。よく覚えてない。終わったあとに少し喋る機会があったけど、枡野書店の前にあるガチャガチャをやったら何も出てこなくてお金だけ盗られた話や、頼まれて投げ銭を入れるところにBAR人間失格の名刺に百円を貼り付けたやつを入れた話はできなかった。ごめんなさい。月曜日に古本市をやるらしいので行こうと思った。

 知らない人に「例えるとポエトリーリーディングは犬で、ヒップホップはヨークシャーテリア」という話をされたけど全く意味がわからなかったのでもうポエトリーリーディングのイベントに行くことはないと思う。

 3時間くらいずっと立ちっぱなしだったので疲れた。高円寺に飲みに行ったら何十万円もする本が図書館にあるから図書館はいいよという話をしていて羨ましかった。僕も図書館に行こうと思った。TABOO1のステッカーをもらった。嬉しい。

 

2019/07/14(日)_雨

 昼前に起きる。やることもないので『アオイホノオ』を読み返した。そろそろ新刊が出てるんじゃないかと調べてみたら2日前に出ててびっくりした。そろそろ『アオイホノオ』の新刊が出てるんじゃないかと調べてみたら最近出てたってことが7回くらいずっと繰り返しているので僕はすごいと思う。

 人間失格の常連が月イチでカレー屋をやっていて、今日がその日だったので食べに行ってみたら店の前で人間失格の常連とばったり会ったので一緒にカレーを食べて外に出たら人間失格のマスターとばったり出くわした。どういうことなのかよくわからなかった。怖くなって中野に逃げる。本屋で『アオイホノオ』の21巻を買った。お、おもしろ……。ここ数年くらいずっと雁屋先生に懺悔しかしてないので感動する。

 東西線で木場へ。アートブックフェア?に行く。guccimazeのブースは大混雑でシールしか買えなかった。ていうか会場、人が多すぎてほとんど何も見えなかった。実質コミケ、と思っていたら有象無象のなかの誰かが実質コミケ、と云っていたので、実質コミケ、と思うのはやめよう、と思った。人多すぎて実質コミティアじゃん、と思った。混雑しているので麻雀牌のストラップだけ買った。外の出張古本屋でうめざわしゅん『パンティストッキングのような空の下』を買った。

 夜、池袋へ。大学のパイセンと飲む。二軒目のお店に香賀美くんのおしっこが置いてあったのでガブガブ飲む。香賀美くんのおしっこになぜアルコールが含まれているのかはよくわからない。飲んでいたらお腹がポカポカした。その後、カラオケに行ったら喉が潰れた。こんな声じゃ、もう香賀美くんに愛をささやくことも、できない。

 

2019/07/15(月)_雨

 昨日、一時間歌っただけなのに筋肉痛になった。這うように喫茶店へ。市原佐都子『マミトの天使』を読む。「虫」が一番おもしろいな、と思ったけど「マミトの天使」を読んだら「マミトの天使」が一番おもしろいな、と思った。「地底妖精」が一番おもしろかった。それから高円寺や中野へ行った。なんで高円寺や中野に行ったのかはよくわからない。僕は動き続けていないと死んでしまうんだと思う。僕はまだ死にたくはない。だから動き続けるしかない。あと、他の人にも、あんまり死んでほしくない。色々な人に生き続けてほしい。例えば、SHIROBAKOの世界に突然ゴジラがやってきてみんなをぺちゃんこに踏み潰してしまう、みたいなことは絶対起こらないわけだし、だから、現実の世界もそうであってほしい。

 夕方、枡野書店へ。午前中に行った喫茶店の店員さんが7人くらいいてびっくりした。本当は7人もいなかったかもしれない。本谷有希子『イママン』(サイン付き)とpha『夜のこと』と枡野浩一『ショートソング』『ハッピーロンリーウォーリーソング』を買った。枡野さんは自分の本をブックオフで見つけたら自分で買って自分で売り直しているらしい。もともとはブックオフにあった本にサインをしてもらった。

 それからつけ麺を食べて家に帰った。つけ麺はあんまり美味しくなかった。それが僕の連休の最後だった。繰り返すことない。あっという間に流れていっただけで、もう戻ってくることはない。

 おわり。